私は健康に関し、根拠もなしに過信しているところがありました。
「趣味の登山で事故を起こさない」「車の運転はしないので、交通事故の加害者にならない」「血縁者にガンになったひとがいないから、自分は大丈夫」と思っていたのです。しかし、今から数十年前に悪性黒色腫になり、左足の親指を失いました。
指なんか10本もあるんだから。紛争地域で地雷を踏んで片足を失った人に比べたら、なんということもあるまいと、軽く考えていました。しかし、失って傷が治ってから気づいたのです。
「親指は踏ん張るときに必要だ!」ってことを手術から約5カ月経った後でした。
サンダル・草履・下駄が履けないし、自分で手作りの指をつくっても歩きにくい。後ろ姿が妙に傾き、他者から見ても変な姿なんです。
手術をした大病院では、人工的に指を付けることは出来るかもしれないが、痛みと違和感が強いのでやめたほうがいいと言われました。仕方なく、自分でお手製の指を作り、改良していきましたが、当然ながら合わなくて不便を感じていました。
そんなある日、みやびさんをテレビと新聞でみつけ、この方なら、、、、と半信半疑でお伺いしました。
接客しながら私の指を作っていく工程を見て、その見事さに驚きました。なんのお仕事にも熱意とセンスは必要と感じ入りました。
日頃、着物の生活ですので、足袋が履けないと下駄も履けません。
82歳 群馬県 M.Tさま
指が出来上がり、これまでと同じような生活が取り戻せるかと思うと、ワクワクします。