こんにちは。エピテみやび株式会社代表取締役の田村雅美です。
わたしの前職は歯をつくる歯科技工士でした。数年間働いたのち、もっと技術を向上させたいと思い単身渡米しました。
渡米したある日、社内研修で某有名大学を見学することになり、その時に出会ったのが『エピテーゼ』でした。当時の私はエピテーゼという言葉も存在も知らず、言われたまま見学していました。
診療室には迷彩服を着た20代と思われる男性が座っていました。健康そうに見えましたが、彼の顔を見たとき驚きました。左の頬をはじめ、目・耳が無かったのです。
彼は戦地に派遣された元兵士だったのです。
当時の私は、顔や身体の一部をなくしても手術したらキレイサッパリ元通りになるものだと疑いもしませんでした。ところが外科的手術には限界があり、今も昔も、修復できないことも少なくありません。
そんな彼にリアルなお面(マスク)を作っている技術者がおり、みるみるうちに彼の顔が元通りに整えられていきました。
手を動かう技術者。
工程を見守る家族。
不安そうな元兵士。
出来上がったよの声と同時に鏡を渡され、自分の顔を見た瞬間、家族と抱き合いながら喜びを分かち合いました。
きっとものの10~15分くらいだったでしょう。たったそれだけの時間でひとりの人生を大きく変えてしまったリアルなお面がエピテーゼでした。
米国では戦争で身体の一部や顔の一部を失くされる方が少なくありません。彼らはそんな負傷した自分の体や顔と向き合えず、孤独な人生を歩むこともあります。社会復帰として支えになるのがエピテーゼだったのです。
なんて素敵な仕事なんだろうと衝撃を受けたことを今でも覚えています。
その後日本に帰国し数年が経った頃、友人が乳がんになり左の胸を全部摘出しました。宣告から手術まで約2週間ほどでした。豊満なバストだっただけにショックも大きく身体の傷が癒えるのと同時に心の病にかかりました。
しかし当時の私にはどうすることもできず、ただ見守るしかなく、やるせなさを感じていました。
彼女のために何かできることはないだろうかと思った際、米国でみたエピテーゼを思い出し、歯科技工士のスキルと経験を活かして始めたのがエピテーゼ専門サロンでした。
残念ながら友人へのプレゼントは叶うことはありませんでしたが、友人への想いをそのままお客様へ届けております。